■ SPECIAL THANKS(敬称略)
小西聖典、後藤麻子、城島里実、斉藤秀美、高向俊江、村上五月
越本佳世子、
桃色女剣劇団、劇団片手間、劇団未踏座、雨垂事典、
劇団いぬふぐり、佐藤家の皆様、and more
■ 演出家挨拶(パンフ掲載文)
一年ぶりです。皆様お元気ですか?
突然ですが、エスカレーターとエレベーターの言い間違いってよくあります。エレベーターに閉じこめられるという設定はドラマや映画でよく出てきますが、これがエスカレーターだと面白いんじゃないかと思いついたのが短篇ものを書くきっかけでした。今回はラインナップに含まれていませんが、エスカレーターの中に閉じこめられるサラリーマンの話です。
その後も短篇の執筆に挑戦しました。
何の道具も要らない、ただ役者がいるだけでできる手軽さを備えつつ、観客を魅了することのできる脚本が書けないだろうか。演劇部や劇団じゃなくても、クラスの出し物としてもできる、ローリスク、ハイリターンな脚本をと考えながら書いたものが「ピロシキ」です(後付け)。これはそこそこ評判をいただき、あちこちの演劇部の方々などに上演していただきました。本当に感謝です。
しかし、折角書いたのに、自分の演出による上演を果たせずにいるのはやはり、口惜しいもの。もっと短篇を沢山書いて、それをまとめて上演しよう。これが今回の短篇集『大山崎』の個人的な動機です。
『大山崎』という題名はみんなで決めました。本編とは繋がりが殆どありません。ただ、大山崎で創作したコントだからってことで決まりました。
昨年末に大山崎JCTが完成しました。中野劇団にとっても大山崎はJCTであり、これからまたいろんな人と出会い、一緒によい芝居を創っていければと淡く期待していますなどと上手いこと言ってみたりもする今日この頃です。
最後にこの公演を支えて下さった皆様にこの場を借りて深く感謝の念を申し上げます。感謝の念!
■ 公演を終えて
初めての短篇オムニバス。
企画当初は7〜8本のストックがあり、15本くらいやりたいと言っていたが、実際その中から採用したのは『ピロシキ』と『凄い配管工の兄弟』の2本のみ。
残りは稽古が始まってから書き足さなければならないことから、本数を減らそうと考えていたら、何だかんだとやりたいことが出てきて、結局15本になった。
上演という具体的目標があるときは、ないときと比べても筆の進みが早い。
というよりも、上演するかどうかわからず書いているものは、完成前にモチベーションが下がって、保留になることが多い。
もともとコント風ともいえる脚本を書いてきたので、本を書くことは思いのほか順調だったが、その他でいろんな予想しなかった不安が出てきた。
稽古の時間配分がわからなかったり、衣裳、小道具に凝ってしまってスタッフが物凄く頑張ってたり、舞台のデザインがなかなか決まらなかったり。
みんなが苦労した甲斐あって、お客様の反応は上々だった。(文:中野)