長篇11:振替平日

■ 内容
小さな大道具製作工場「冬原製作所」に住み込みのアルバイトをしている車塚青年と職場仲間の日常生活を描く。コメディ。

■ 上演履歴
1997年10月(劇団未踏座 有志公演)

■ 上演申請
脚本のご利用を希望される方はコチラをお読みいただき、必ずメールにてご連絡下さい。
また、公演情報をチラシやパンフレット、HP等に掲載される場合は「脚本:中野 守(中野劇団)」とご明記下さい。

■ 脚本使用料
長篇の料金です。

■ 備考
五作目であり、大学での最後の公演。当時はフリーターで半年間の大道具のバイトを辞めて作った芝居。
過去四本は全て出演者10人以上プラススタッフ数名。
なのにこのとき集まったのは、僕を含め計6人。
しかも僕以外、大学1年生と2年生のみ。
1年生なんて、夏に始めて舞台に立ったばかりのほぼ初心者だった。
全員で6人、それでも全公演の中でもっとも手の込んだ舞台装置を、作ることができたのは、今でもあのときのメンバーを誇りに思う。

アパートの一室をリアルに再現したかった。
正直言って、未だに釘を打ってもすぐ曲がってしまう、そんな不器用な自分が、どこまでできるか試したかった。
壁土は、砂を拾ってきて、ふるいにかけたものにペンキを混ぜて、見よう見まねで塗った。
また今までの公演ではダンスを何処かで入れていたのだが、稽古時間を多く必要とするわりに、精度が低く、効率が悪いという考えから、ダンスを入れなくなった。
当時まだ活動していたカクスコの公演を見に行ったことが、それまで自分が持っていた演劇における方法論を打ち砕いた。
この公演から、台本は全て活字になった。
このときはまだワープロだったけど。
活字の長所は、手書きと比べ、修正が容易であること。
誤字も少なくなるし、文の入れ替え、削除も楽だ。
公演が終わってから半年間、戯曲賞の公募に送るために、毎日、ワープロを叩いて推敲を繰り返した。
その労が報われたことには本当に感謝している。
1998年6月、早稲田大学演劇博物館創立70周年記念戯曲賞入選。
投稿の際、原稿の文字数を抑えるために、瑠璃子にルコという呼び名をつけた。