旗揚公演 パレス欲望の闇に恍惚と光る 金の瞳銀の瞳203号室の住人たち Edition 2003

日時:2003年4月19日(土)18時〜
20日(日)13時〜
場所:スペースイサン
料金:前売・当日精算800円、当日1000円
上演時間:約100分

■ あらすじ
『パレ闇』と呼ばれるマンションの一室には、部屋主の穂積と妹アルミ、三人の居候、久住、歪、帽子屋の五人が住んでいる。
鍋を突く五人の話題は、部屋の隅に置かれた、誰が持ち込んだのかわからない箱へと移る。
怪訝に思う皆に、前部屋主であった久住が次のような噂について語る。

・この部屋には奇妙な現象がよく起こる。
・久住の前に住んでいた人物は、行方不明になった。
・原因は、更に昔この部屋に住んでいたウサギという自殺した人間。
・この部屋の主になったことのある者には存在しないはずの人間の姿が見える。

箱を開けると、中には無数の帽子。
そして何故かマンションの防火扉の誤作動で、全員建物内に閉じ込められ、しかも、マンションから五人以外の住人がいなくなった。五人は不思議な現象から元に戻る方法を考える。

■ 脚本
脚本を公開しています。

■ キャスト
穂積 :加藤 祐一
帽子屋:白木ぽん太
アルミ:田中真美子
久住 :辻中金吾郎
歪  :たかつかな

■ スタッフ
作・演出:中野 守
音響プラン:たかつかな
音響オペ:村川謙一
照明プラン:中野 守
照明オペ:佐藤 喜昭
財務:加藤祐一
衣装・小道具:田中真美子
舞台美術:中野 守、辻中金吾郎

■ 演出家挨拶(パンフ掲載文)

一年半前から旗揚を企画し、紆余曲折あって漸く、皆様の前に再登場できました。
中野劇団 中野です。はじめての方はじめまして。
本当に何もない状態からの出発でした。
最初は役者が揃うのか、ホールは何処が空いているのか、稽古は何処でやろうか、本当にそんな状態でした。
今、こうして徐々に協力者も増えて、何とかここまで漕ぎ着けました。
本公演に携わって下さった全ての皆様、そしてご来場の皆様にこの場をお借りして、お礼を述べさせていただきます。
今回のお話は、3年前に別団体で上演したものを採用しました。
内容自体はさほど変えていませんが、出演者の5人の代表作になればと頑張りました。
できれば期待や先入観を持たずにご覧下さい。
この中野劇団、ユニットという性格上、今後どのような道を歩むかはまだわかりません。
とりあえず、とりあえず、第一歩、です。

■ 演出家挨拶(サイト掲載文)

かねてから念願であった自分の主催する劇団。それがまさに小さな一歩を踏み出そうとしております。三年前に書いた「パレ闇」をやや書き直して今回の旗揚公演で上演することになりました。
大学で演劇を始めて、 今は会社員である傍ら、休日を利用して芝居作りを しております。
求めているのは、芝居そのものが評価されることです。脚本を、役者の演技を、ネタを、 何年経っても語られる、そんな良質の芝居を 創っていくことです。そのために、普通に軌道に乗っている劇団のようなスパンで公演を重ねることはできないかもしれません。公演を重ねることや、優れた宣伝広告が、劇団のステータスになりがちな小演劇界ではありますが、中野劇団は、当面は「美味いのに手間とコストがかかって 赤字になっちゃうたこ焼き屋」みたいな感じで頑張りたいと思います。悲しいことに芝居は絵画や映画、小説と違い、 保存がききません。観に来て下されば、本当に嬉しいです。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
平成15年2月2日 中野 守(後日一部修正)

■ 公演を終えて

前作「真実は笑わない」から二年のブランク。
初めての自分の主催する劇団での公演であり、初めての再演でもある。
「振替平日」以降の作品は初演が終わってからも、暇があれば本を直すという作業をちまちま続けていた。もし過去の公演で再演するとしたらどれを選ぶかは早い段階で頭の中にあった。

ホール入りしてから、最大のトラブルが発生したりもしたが、終わってみればいい感じだった。
本物の鍋を使ったシーンも初演同様敢行した。
いつも打ち上げの酒は美味なのだが、このときは格別だった。(文:中野)