第10回公演
ぼくらのいもうと
匿名の人物によって
インターネットの片隅にアップされ 局所的な反響を呼んだ小説『天空』 その物語を読んだ一人のファンが ある掲示板へ書き込む 「天空高校は俺の母校かも知れない」 そして、オフ会が開かれる ■ 舞台写真 ■ あらすじ 駅前のマンションに住む安堂寺杏奈は、仕事の大事な契約をとるために、取引先の担当者であり、大学時代の先輩でもある笹原という男を待っていた。インターホンが鳴る。杏奈がドアを開けると、現れたのは職場の部下である昆陽という男だった。彼はいきなり部屋に入って来て、おもむろにノートPCを取り出すと、ある場所を盗撮盗聴しはじめた。盗撮しているのは同じマンションの別室で、今から某巨大掲示板のあるスレッドに集まる者によるオフ会が始まろうとしていた。そこに盗撮カメラを持たせてスパイとして潜入しているのは昆陽の妹。 2つの部屋を舞台にした一幕物コメディ! ※一幕物:暗転・場面転換なしでリアルタイムに 物語が進んでいくお芝居で、過去作品では「恋はぐだぐだ」が該当します。 じゃあ、今からお兄ちゃんってことで ■ 脚本 脚本はコチラです。(2011.11.27更新) ■ 登場人物 安堂寺杏奈 二つの部屋のうちのひとつの部屋主。 昆陽 杏奈の部下。オフ会が行われる部屋を盗撮するために、たまたま近くに住んでいる杏奈を訪ねる。 ■ 公演情報 日時:2009年4月18日(土)14時〜、19時〜 19日(日)13時〜、17時〜 (開場は開演の30分前) 会場:in→dependent theatre 2nd 料金:前売:2500円、当日2800円(日時指定自由席) ■ キャスト 三条上ル 唐仁原俊博 辻中金吾郎 筒井紘二 真野絵里 岩田由紀 森上洋行 荒木千恵(ベトナムからの笑い声) 湯川知行 根本コースケ(ベビー・ピー) 音声出演:四葉 ■ スタッフ 作・演出:中野 守 舞台監督・稽古場監督:唐仁原俊博 照明:真田貴吉、おくだあい 音響:児玉菜摘(GEKKEN staff room) 舞台装置:辻中金吾郎 衣裳:真野絵里 小道具:筒井紘二 WEB担当:中野守 撮影:橋本佳典 チラシデザイン:いぬしげ 予約管理システム:シバイエンジン 制作:三条上ル 制作補助:田渕☆理恵 ■ SPECIAL THANKS(敬称略) 小泉梅子(劇団ZTON) 吉田しほ 浜崎聡 西河ヤスノリ 清水陽子小西聖典 仲萌里 三橋琢 椎名光嗣 Futta Music(c)* OUpS.zero(c)* SHW(c)* TURBO X(c)* *:音楽利用させていただいたサイトさんです。 ■ 宣伝動画 ■ 演出家挨拶(パンフ掲載文) 久しぶりにアニメを沢山見てます。ここ最近。 僕の好きなパターンは突然ヒロインが主人公の部屋にやって来て、一緒に住むような奴です。「ああっ女神さまっ」とか、よかったです。地味な主人公の生活の周りに変な人達が集まってきて賑やかになるってのに憧れがあります。 と言いながら、こうして今、自分の劇団があることを振り返ってみると、そのまんま憧れてたものが存在していることに気づき、こりゃ不思議なもんだなと思ったわけです。 今回の芝居は、二つの部屋が舞台になっています。二部屋という設定をうまく活かせているかどうかはわかりませんが、初の試みってことで、その辺どうなんでしょうね。 それとアニメやネット上のネタやセリフなど、今回はいつになく、無秩序に引用しています。当然自分の言葉ではないわけで、家に帰ってネットで検索すれば、元ネタがあるものも沢山あります。他人の毛糸で編んだセーターをプレゼントするようなものかも知れませんが、気楽に見て楽しんでもらえたらと思います。 ■ 公演を終えて もし、芝居の脚本が映画やドラマに使われることになったら。そんな憧れは正直ある。まあ戯言なんだけど。けど、こういう願望を餌にぶら下げて、芝居づくりのモチベーションを高めるという脳内作業は意外と効果があったりする。 この芝居の場合は、実写ドラマではなく、「アニメ化されたらいいのにな」という願望。 「1話20分として120分の芝居だから6話はできるな」などと妄想しながら。 それにしても、久しぶりの長編新作であったり、内容が決して万人受けする設定ではないことによる不安はあったけど、観て面白かったと言って下さる人が多くて、やって良かったと思う。 この芝居の特徴のひとつは、アニメや漫画のネタを普段よりかなり多めに盛り込んでいること。数えるとおよそ30種類ほどの作品のネタが入っていた。ガンダムやエヴァンゲリオンネタは沢山入ってたけど、それを1作品と数えてだから、数で言えばもっともっと多い。漫画ネタというのは、知っている人には楽しめるけど、知らない人には何が面白いのか理解できないわけだから、その辺は配慮してみた。 たとえば、漫画で出てくる名台詞を日常会話に流用するというユーモア。リアルに再現すると、漫画を読まない人には、そんな会話を耳にして、「え?日本語?」となってしまう。アニメを沢山観ている人は、ネタの引き出し多いと思うけど、逆に、わからない人からは感覚的な距離が開いてしまうことがある。実際僕はよく他の劇団の芝居でガンダムのネタをやられて、理解できずに悔しい思いをしたことも何度かある。そこで、[悦子]という「オタクの会話がわからない側の代表者」を登場させ、彼女にもわかるように説明していくことで、わからない人への消化不良を改善していく。その説明を会話劇という枠を壊さないように盛り込むために[ぱふぱふ]が登場する。やはり何でもかんでも説明してしまうと、物語のテンポが悪くなるのも否めない。その辺のバランスもいろいろと悩んだ。 それでもやはり、マニアックな内容についていけない人は少なからずいるだろうという懸念は最初からあったので、シチュエーションコメディ的な笑いの要素単独でも笑いがとれるようにした。因みに[朴]という男は、後から思いついた登場人物で、「彼が絡むといつも超展開になる」という作中作の設定が物語が終盤はちゃめちゃに展開していく伏線となっている。実際に、オフ会開催を催促したり、昆陽にオフ会の様子を盗聴させたりしたのも彼である。 あと、朴がラジオドラマで主人公[昆陽]を演じていたり、昆陽の妹のHNである[Gカップの憂鬱]が実は朴のHNであったり、ヒロイン[杏奈]の兄[アッガイ彗星]が、元ネタの台詞を言わないで、他のキャラの台詞ばかり引用してたりと、無駄に複雑な設定になってしまっている。単にこの、「とっちらかった感」がいいなと思ってやってしまった。因みに本編では出て来ないけど、裏設定では、悦子がモデルとなった作中作「天空」の生徒会長「長田ミッシェル」の下の名前は、作者である昆陽の妹[ミチル]が由来だったりする。 |